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会話はケアの基本。
病院・施設で役立つ「やわらかロジカルな話し方」

人に何かを伝えるとき、自分と相手では持っている情報量には差があるもの。だからこそ、その情報を“知らない”方のためには、相手の立場に立って何をどのように話せばいいのか考えてから発言することが大切です。相手と気持ちよく話すため「やわらかロジカルな話し方」の実践トレーニングについて愛知淑徳大学 創造表現学科 准教授の富樫佳織氏におうかがいしました。

富樫佳織氏
愛知淑徳大学 創造表現学科
メディアプロデュース専攻 准教授

大学卒業後、NHKに入局しディレクターとして番組制作に携わる。その後、フリーランスの放送作家として「世界一受けたい授業」「世界ふしぎ発見!」「世界遺産」などの番組制作に参加した後、WOWOWに入社。プロデューサーとしてオリジナル番組の企画・制作を経て現職。する。2017年、だれとでも気持ちよく話せる話し方をテーマとした書籍『やわらかロジカルな話し方』を出版。

やわらかロジカルに話せるようになる! 5つのブロックを整理してみよう

前編では4つのロジカルに整理されたブロックに【気持ち】の言葉を足すだけで、わかりやすさとやさしさを兼ね備えた「やわらかロジカルな話し方」ができるようになるとお伝えしました。後半では、実際の場面を想定して、わかりやすい会話の実践トレーニングをしてみましょう!
 
(練習問題1)
■患者さんからの呼出がブッキングしてしまったとき
患者Aさんに点滴終了の連絡を受けて対応しようとしたところ、別の看護師から急患Bさんのヘルプに呼ばれました。Bさんを優先しなければならないとき、Aさんへはどうご説明すればよいでしょうか? 【テーマ】【結論】【数字】【状況】【気持ち】の5つをもって整理してみましょう。
 
(回答例)
【テーマ】「今ちょうど別の患者さんからの緊急呼出があり、そちらの対応を優先させてください」
【結論】「大変申し訳ないのですが、そのまましばらくお待ちいただけますか」
【状況】「そちらの対応が終わり次第向かいますから、そのままお待ちください」
【数字】「Aさんのところには5分ほどでおうかがいできるかと思います」
【気持ち】「針が入ったままで不安かもしれませんが、血管に空気が入ることはないので安心してくださいね」
 
相手にしてほしい【結論】を伝えたり、解決策を【数字】【状況】で説明すると、わかりやすく伝わります。そして【気持ち】で相手へのいたわりの思いをお伝えする。訪室が遅れることは患者さんにとってとても不安になることですから、そこを解消できるような伝え方をしてみましょう。

角を立てずに先輩ナースへ意見をいいたい!

もちろん、やわらかロジカルな話し方が使えるのは、患者さん相手だけではありません。
同僚や他職種の方と話すときにも、同じようにロジカルかつ共感を呼ぶように組み立ててみましょう。会話を行う際の印象が変わります。
 
(練習問題2)
■先輩ナースの提案したケアよりも別のケアを提案したいとき
相手とは異なる提案をするとき、ともすれば相手の反対意見や批判に聞こえてしまう場合があります。特に先輩に対しては意見しにくいものですが、伝えるべきことは伝えなく手はなりません。
 
角を立てずに意見を言いたいとき、便利な言葉が「今のお話の流れで考えたのですが」です。「今のお話の流れで考えたのですが」は、相手の話・提案などを受けたうえで解決策を提示する意志を表す言葉です。まずは「あなたの意見を咀嚼しましたよ」ということを示せば、気持ちよく聞いてくれるかもしれません。
 
(回答例)
【テーマ】「患者Cさんの手術後のベッド配置の件でお話があります」
【気持ち】「●●先輩はCさんをトイレに近い303号室に配置するとご提案くださいました。今のお話の流れで考えたのですが
【数字】「もともとCさんはナースコール呼出回数が多いですし、術後不安に感じてさらに呼出が増える可能性があります」
【状況】「担当ナースとして、頻回に様子を見に行ってあげたいので」
【結論】「スタッフステーションに近い301号室に移動いただくのがよいと思います」
 
大切なのは、相手の意図を取り込み、それに自分の意見を加えて返すこと。とにかく相手目線で会話をすることが「やわらかロジカルな話し方」の基本です。

自分の感情は抑えて! 大切なのは相手目線で考えること

5つのブロックでやわらかく、かつロジカルに話せるようになれそうでしょうか? 
 
ここで注意したいのは、【気持ち】のブロックは自分自身の感情ではなく、話す相手の気持ちを想像して共感を呼ぶためのものであることです。よく間違いやすいのは、ここで【気持ち】ではなく自分の【感情】を出してしまうこと。例えば、怒りや愚痴、悪口など、自分の主観のマイナス感情はついつい出てしまいがちですが、ぐっと抑えましょう。
 
会話は相手があってこそのもの。自分の主観的な【感情】は置いておいて、相手の【気持ち】を取り入れた、やわらかな会話を目指しましょう。

【富樫先生からのメッセージ】
看護師・介護士の方は、不安を感じている患者さんの心の拠りどころです。職業的に求められる「情報を論理的にしっかり伝える」ためにもあえて、相手の気持ちを言語化し共感を示すことで、安心して聞く気持ちを作り出すことができると思います。自分の思うように動けない、診断を受けてこの先がわからなくなっている患者さんにとって、看護師・介護士の方に自分の気持ちを汲み取ってお話いただけるのは、自分自身を支配している感情に気づくきっかけになると思います。言葉によって自分を見つめることで前向きに、そして自発的に、治療やリハビリを受け入れてくださる方が増えるといいですよね。
 
参考図書:富樫佳織、2017、『やわらかロジカルな話し方』、クロスメディア・パブリッシング。

(書籍紹介)
やわらかロジカルな話し方のメソッドをもっと知りたい方へ!
『やわらかロジカルな話し方』
著者:富樫佳織
出版:クロスメディア・パブリッシング
 

UP DATE 2017/12/18

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