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想いをプラスしやわらかく&わかりやすく
相手に伝わる話し方のコツ

看護・介護の現場では、正しい情報をきちんと相手に伝えることが求められます。そのため、きちんと相手に伝わるように話すことが大切です。言いたいことをうまく伝えられるようになる「やわらかロジカルな話し方」について、愛知淑徳大学 創造表現学科 准教授の富樫佳織氏にお聞きしました。

富樫佳織氏
愛知淑徳大学 創造表現学科 メディアプロデュース専攻 准教授

大学卒業後、NHKに入局しディレクターとして番組制作に携わる。その後、フリーランスの放送作家として「世界一受けたい授業」「世界ふしぎ発見!」「世界遺産」などの番組制作に参加した後、WOWOWに入社。プロデューサーとしてオリジナル番組の企画・制作を経て現職。する。2017年、だれとでも気持ちよく話せる話し方をテーマとした書籍『やわらかロジカルな話し方』を出版。

情報を「見える化」して整理しよう

現在、医療・介護の現場の業務改善として、データの「見える化」を行っている施設も多いでしょう。データを数値やグラフなどで示すことで、情報が整理され、課題が見えやすくなります。
 
実は人との対話でも、この情報の整理が有効です。話したい内容を4つのブロックに分けて可視化してみましょう。

会話を組み立てる4つの要素

【テーマ】 話すトピックス、何を決めたいか、会話の目的
【結論】 話のテーマに対して自分が想定している結論
【数字】 トピックスの数、決定のデッドライン、目標数値
【状況】 話し手の置かれている状況(報告か相談か、ポジティブかネガティブかなど)

自分の伝えたいことを上記の4つのブロックに整理してみましょう。話の構成要素にこれら4つの要素が含まれていれば、内容がきちんと相手に伝わりやすい、ロジカルな話を組み立てることができるようになります。
しかし、こうしたロジカルな伝え方の場合わかりやすくはあるのですが、話が淡々としてしまい、覚えてもらえないことが多いのです。
 
会話は「用件を伝える」だけでなく、お互いの気持ちを「共有」することが大切です。よりスムーズなコミュニケーションをとるためには、先述の4つのブロックのほかに自分と相手の【気持ち】を足してあげる。この5つの構成要素が「やわらかロジカルな話し方」につながります。

やわらかロジカルな会話を組み立てる5つの要素

【テーマ】 話すトピックス、何を決めたいか、会話の目的
【結論】 話のテーマに対して自分が想定している結論
【数字】 トピックスの数、決定のデッドライン、目標数値
【状況】 話し手の置かれている状況(報告か相談か、ポジティブかネガティブかなど)
【気持ち】 ほかの4つのブロックを聞いたときの相手の気持ち。相手の状況を想像して言葉にしたもの

【気持ち】ブロックをプラスして伝えることで、話し手と聞き手の気持ちが共有され、気持ちよく会話することができるのです。

気持ちをプラスするってどういうこと?

では、具体的に【気持ち】ブロックをプラスするとは、どのような言葉をプラスすればよいのでしょうか?
 
■例:これからケアについての説明を行う前のワンフレーズ
例えば、これから治療を受ける患者さんに説明を行う前に、患者さんの【気持ち】にあたる言葉を伝えましょう。
 
「言葉が難しかったらすぐ聞いてくださいね」
「はじめての状況だから不安ですよね」
「この診断を聞くと皆さん心配になりますが、きちんと説明しますね」
 
など、まず病気やけがで不安な患者さん側の状況を言葉にして説明しましょう。患者さんがどのような状態にあるのか言語化し、「この看護師さんは患者の自分の不安を知っている」ということを伝えます。この“共感”が患者さんに伝わると、患者さん側も話を聞く準備ができ、会話の体制に入りやすくなれます。
 
■例:相手の行動を否定しなければいけないとき 
安全のためや治療のためなど、患者さん相手に時には「してはいけない」ことを示す必要がある機会が、看護・介護の現場では結構あるものです。自分の行動を否定されると気分を損ねる人もいるでしょう。そこで【気持ち】のブロックです。
 
「動けなくてお辛いでしょうけれど」(点滴などで安静にしなければならないとき)
「食べてよいもの、悪いもの、なんでも聞いてくださいね」(絶食のとき)
「おうちのことも心配でしょうが」(家を空けて入院するとき)
 
禁止事項を破ってしまう理由を考え、その気持ちに沿った共感の言葉を考えてみましょう。

5つのブロックを組み立てる順番は話の流れによって変わってきますが、相手の不安をほぐしたいときには、【気持ち】ブロックをひと言目に持ってくるとより共感を呼びやすくなります。まず、聞き手である患者さんの気持ちを言葉に出すことで相手は自分を客観視できますから、会話のトピックスにすんなりと加わり、受け止めやすくなります。たった一言だけでも、相手にやわらかい印象をもってもらえます。

【富樫先生からのメッセージ】
看護や介護のお仕事は、相手に情報を正しく伝えることが重要なだけに、「一問一答」のように決まった答えを話している印象をもたれてしまうこともあるのではないでしょうか。
私自身、患者としてお世話になる際に、それが正しい情報なのだと思っていても、紋切り方のお返事をされると不安になってしまうことがあります。また、医療・介護の世界は難しい専門用語も頻出します。会話の中に初めて聞く専門用語が多いと、とまどう一因となるかもしれません。
 
患者さんやそのご家族がどのような点で不安を感じられるのか、看護師・介護士の皆様は身をもってご存知かと思います。まずは患者さんやそのご家族が不安になりがちな理由をリストアップしてみましょう。例えば「説明のために専門用語を使いますが、不安になったら何でも聞いてくださいね」など、会話の最初に【気持ち】を持ってくるだけでも聞き手の印象が変わりますよ。ぜひ「やわらかロジカルな話し方」にチャレンジしてみてください。

参考図書:富樫佳織、2017、『やわらかロジカルな話し方』、クロスメディア・パブリッシング。

(書籍紹介)
やわらかロジカルな話し方のメソッドをもっと知りたい方へ!
『やわらかロジカルな話し方』
著者:富樫佳織
出版:クロスメディア・パブリッシング

UP DATE 2017/12/18

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