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映画大好きな人や、それほどでもない人にも。看護師、医師、患者らが登場する“メディカル・ムービー”ガイド。関連作品もあわせてご紹介。
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第16回:息子の部屋
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第16回:『 息子の部屋  2004/8
(タイトルをクリックするとAmazon.co.jpの作品ページにリンクします)
第16回:息子の部屋
物語:精神分析医のジョバンニは、妻、娘、息子とごく普通の幸せな暮らしを送っていた。ところがある日曜日、ジョバンニが患者からの電話で急な往診に向かっている間に、息子のアンドレアがダイビングの事故で亡くなってしまう。悲しみに耐える彼らのもとに、ある日、一通の手紙が届く。それは家族が知らないアンドレアのガールフレンドからのものだった。

原題:LA STANZA DEL FIGLIO(英題:THE SON'S ROOM・2001年・イタリア・99 分)
監督・原案・主演:ナンニ・モレッティ
出演:ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ、ジュゼッペ・サンフェリーチェ
オフィシャルサイト:http://www.warnerbros.co.jp/sonsroom/

息子の部屋〜カンヌ受賞記念版〜
価格:2,625円
発売日:2004年9月10日<期間限定生産>
販売:アミューズソフトエンタテインメント


 時に問題や波風はあっても、愛情とユーモアにあふれた平和な家庭を築いていたジョバンニたち一家。ところがある日、予想もできないことに突然、息子が海で命を落としてしまう。映画は前半で幸せな家族4人を映し出し、中盤以降、それぞれに家族を亡くした悲しみ、苦しみにとらわれ、自分を見失い、家族の絆も壊れていくが、やがてあるきっかけで再生へと歩み出す姿を静かに追っていった作品です。

 日本ではなじみが薄いですが、監督・主演のナンニ・モレッティは現代のイタリア映画界を代表する映画人の一人で、ヨーロッパでは高く評価をされています。本作は、優れているけれどクセが強く万人受けがしない作品を作ることで“異端の名匠”とも呼ばれてきた彼が、ストレートに家族の愛と癒しを描いた物語。2001年のカンヌ国際映画祭で最優秀賞にあたるパルムドールを受賞しています。

 主人公であるジョバンニは成功した精神分析医。彼のもとにはさまざまな悩みを抱えた患者たちが次々に訪れてきます。彼らの悩み、苦しみを受け止める精神分析医も、しかしまたただの人間。息子を亡くしたジョバンニはその傷にどんどん深く落ち込み、患者たちの言葉に集中できなくなっていく。患者たちどころか、自らさえ苦しみから救うことができない。患者を恨みもする。結局、彼は仕事を辞めることを決意します。その後、彼はどうなるのか。ある一夜を経て朝、海岸を歩く彼にこそ、悩みを聞いて欲しいと思うのは私だけではないのでは。

 あえて淡々と描かれていく物語は、観ているときは随分あっさりと感じるかもしれませんが、観終えてから、じわ〜と心にやさしいものが満ちていく、さすがパルムドールの秀作です。

★『息子の部屋』を観たら、こちらもオススメ ★

ノー・マンズ・ランド 『ノー・マンズ・ランド』
●2001年のカンヌで脚本賞、2002年のアカデミー賞で外国語映画賞など多数の賞を受賞した傑作。ボスニア紛争の中、中間地帯(ノー・マンズ・ランド)に取り残された敵対する2人の兵士を中心に戦争の愚かさ、虚しさ、不条理を描き出すブラック・コメディ。

価格:4,935円
発売日:2002年12月18日
発売:ポニーキャニオン
華氏911 『華氏911』
●今年2004年のパルムドール受賞作にして、アメリカ本国では賛否両論、社会現象を巻き起した問題作。『ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーア監督が、9.11米国同時多発テロとブッシュ政権に迫るエンターテイメントなドキュメンタリー。

恵比寿ガーデンシネマほか全国で公開中
配給:日本ヘラルド映画、GAGA
オフィシャルサイト:http://www.kashi911.com/
誰も知らない 『誰も知らない』
●長男・明役の柳楽優弥がカンヌ史上最年少、日本人としては初めての男優賞を受賞したことで話題の作品。都会の片隅で、母親に置き去りにされた4人の子どもたちが自分たちだけで生きていく、実話モチーフにした物語。監督は『ディスタンス』是枝裕和。

8月7日からシネカノン有楽町ほか全国で順次公開
配給:シネカノン
オフィシャルサイト:http://www.daremoshiranai.com/
ライター:谷 真由美
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