| メ イ ン ペ ー ジ |
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「いや、ユウカが看護学生になるころには、きっと年限延長が実現されているはずよ。それより、いま現在の新人の人たちが可哀想で、みんな、卒後研修や先輩の指導や自己勉強でたくましく必死で勉強していくわけだけど、当然、そうはいかない人も出てきて、とくに患者さんの平均在院日数が短い病棟、つまり患者さんの回転が早い職場はそのめまぐるしさで余計に新人さんにとって困難な職場で・・・・・・離職。これは個人の能力ではなくて、制度の問題。ここの病棟でもさ、さっき、新人みたいな看護師さんが、くらーい顔して廊下歩いてたでしょ。心配だわあ」 長女はその後も、次女に看護教育の問題点を語りつづけたのでした。 そして、今朝、新人ナースの吉永さんが採血にきたときに、Aさんは新人の彼女を労うつもりで、採血の直前にこう声をかけたのです。 「大丈夫?」 新人ゆえにたいへんなプレッシャーの毎日で疲れているんじゃない? そんな意味で言った言葉でした。ところが吉永さんは違う意味にとって、困惑した表情になったあと、申し訳なさそうにこう言ったのです。 「新人で・・・申し訳ありません。やはり、先輩たちに比べればヘタかもしれませんが、採血はできます。新人でご不安かもしれませんが、失敗はしませんので」 吉永さんはAさんの「大丈夫?」という言葉が「できるの? 新人だからできないんじゃないの?」というふうに聞こえてしまったのです。 それとわかったAさんは、即座に「いや、違う。そうゆう意味じゃなくて」と否定したのですが、吉永さんにはうまく伝わりませんでした。また、悪いことに、採血が終わったあと、針を刺した部分が内出血をおこしてしまい、吉永さんは絶望したような表情になって、内出血に対処したあと、消え入りそうな声でAさんに詫びて退出したのです。Aさんの血管がやわらかいためかベテランナースが行っても採血の際には内出血しやすく、彼は慣れっこなのです。それも吉永さんに説明しようしたのですが、うまく彼女に伝わらなかったようでした。 それ以後吉永さんは病室に姿を見せず、Aさんは昨日の妹たちの会話を思い出しているうちに「もしかしてオレの言葉がきっかけで吉永さんが離職してしまうのでは」「とすると、オレの一言が彼女の人生を左右してしまうのかも」と心配になってしまったのです。 その後「大丈夫?」の誤解が解け、吉永さんの離職についてもAさんの心配のし過ぎであったことが判明して彼はほっとしたそうですが、それで終わりにしてはいけないと思い、マスコミの友人に日本の看護教育について取り上げてほしいと伝えたそうです。 |
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