| メ イ ン ペ ー ジ |
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「島田さん(幸枝さんの苗字)、最近、歩き方にどことなく険があるね。入院してるとね、誰の足音なのか、その足音でその人の調子がどうなのかわかるようになるんだ。で、最近、島田さん、なんとなくぴりぴりしている歩き方」 幸枝さんはどきりとして、言葉が出てこなかったそうです。 幸枝さんが、トイレのドアを外側から押さえて(Aさんは、内側から鍵の開け閉めができない状況) Aさんのトイレが終わるのを待っていると、彼はトイレの中からこう言ったそうです。 「大丈夫、いままでどおりで大丈夫だ」 そして、言葉のあとに、ぷうー、という大きなオナラの音がして、Aさんは「いまのはオナラじゃないよ」「笑っていいよ、グフフ」と笑ったのだそうです。 幸枝さんが言います。 「Aさんのぷうーというガスの音がものすごくものすごくおかしくて愛嬌があって、笑いをこらえるのがたいへんだったんです。<オナラじゃないよ>というとぼけた言い方もおかしくって、ナースステーションに戻ってからお腹抱えて笑ってしまったんですけど、Aさんの<大丈夫>という言葉を思い出して涙がこぼれてきてね、ありがたいなと思いました」 そして気がつけば、例の二つの音は気にならなくなっていたそうです。 |
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