| メ イ ン ペ ー ジ |
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| みなさんとナース休憩室で雑談するような気持ちでつれづれに書いていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。(小林光恵) |
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ある内科病棟の女性の二人病室に、敏子さんと小百合さん (共に48歳)がベッド上に眼をとじてあお向けになっています。それぞれのベッドをぐるりと囲んでいるクリーム色のカーテンを、夕方になる直前の西日が照らしています。 敏子さんは昨日、背部に激痛が出現し緊急入院。胆石と診断がつくと同時に痛み止めで痛みも消失し、数日後に改めて外科病棟に入院して手術をすることになりました。まもなく家族が迎えにきて退院する予定です。痛みは消失したとは言え、疲労や睡眠不足が残っているようで、彼女はぐったりとベッドに横になってお迎えを待っています。 小百合さんは心臓の検査のためにおととい入院し、検査を終え明日退院の予定です。検査を終えた昨日の夕方から24時間はベッド上で安静にしていなければなりません。大きな検査を受け、彼女もまた心身ともに消耗しています。 よって二人は、同じ部屋に入院中ながらも、顔を合わせ、挨拶するタイミングを逃したままなのです。知り合ったとて、間もなく退院になってしまうのですから、たまたま同室になった人にわざわざ挨拶したり言葉を交わす必要もないだろう、と二人は思っているのです。 実はこの二人、小学校入学時から2年生の12月までクラスメイトで、しかも大の仲良しだったのです。席はいつも隣同士(席替えで隣にならなくてほかの子に取り替えてもらったことも2回あった)で、休み時間、遠足、下校のときなどなど、とにかくいつも一緒に過ごしていた間柄。先生から「二人は一心同体だな」とよく言われて、二人は「一心同体」という言葉を覚えたのです。 2年生のときの12月、家の事情で敏子さんは転校してしまいました。敏子さんは両親から突然「学校は今日かぎりで明日引っ越す」と聞かされたのでした。敏子さんはなによりも仲良しの小百合さんと会えなくなるということが悲しくて寂しくてたまらず、何故か小百合さんに喧嘩を売ってしまいました。小百合さんが色鉛筆を貸してほしいと言ってきたとき、いつもなら貸してあげるのに「絶対に嫌」と断ってしまい、小百合さんは怒って口をきかなくなってしまいました。二人のはじめての喧嘩でした。敏子さんは、どう仲直りしたらいいかわからず、結局そっぽを向いたままの無言のお別れとなってしまったのです。敏子さんは「どうして私は素直になれなかったのだろう」と自分を不甲斐なく思い、その残念な気持ちはいまでもたまに思い出すのです。 小百合さんは、敏子さんの突然の転校について、帰りのホームルームの際に先生から話があり、あまりのショックで、どうしたらいいかわからず、お別れができないまま、ホームルームが終わり次第走って帰ってきてしまったのでした。彼女も「どうしてちゃんとお別れをいえなかったのだろう。きっとトッコちゃん(敏子さん)は転校が悲しくてどうしようもなくて喧嘩を売ったのだろうに私はそれをわからずどうして喧嘩を買ってしまったのだろう」と後悔しました。そのときの後悔の念を今も忘れていません。 敏子さん一家は夜逃げ同然で遠くに越してしまい、二人は音信不通となり、会いたいと思いながらも会えないままいつのまに40年たってしまいました |
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