| メ イ ン ペ ー ジ |
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| みなさんとナース休憩室で雑談するような気持ちでつれづれに書いていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。(小林光恵) |
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今年、79歳になる大隈さんは、脳卒中による左半身マヒがあり、食事やトイレはなんとか自力でできるものの、外出となると車椅子と人手がなければ困難です。その状態になってしまってから彼は、自由に動けなくなってしまった姿を町の人たちに見られるのが嫌なのか、すっかり出不精になってしまい、自分から出かけたいと言い出すことは皆無となってしまいました。 そんな大隈さんが、どういう心境の変化か、今年の春、 「ショッピングセンターに行きたい」 と言い出したのです。ショッピングセンターとは、自宅から車で10分ほどの場所に昨年出来た大型シヨッピングセンターのことでした。少しでも家の外に彼を連れ出したい、と思っていた家族(大隈さんの奥さん、息子さん夫婦、お孫さんの女子高生)は、喜んで一家総出で大隈さんを車椅子に乗せ、ショッピングセンターに。しかし、到着後数分で大隈さんは「帰る!」と言い出し、一家はそのまま駐車場へと引き返したのでした。 脳卒中で倒れる5年前まで建具屋さんを営んでおり、名職人として町で有名だった大隈さん。無口で職人気質で頑固な人柄で、昔のテレビドラマ「寺内貫太郎一家」の父親の貫太郎に性格や体格が良く似ているとして、一部から貫太郎さんと呼ばれていたこともある人です。帰宅の車中で、「どうしてなんですか?」と奥さんが彼に聞くと、「うるさい! 理由なんて聞くな!」。 まさに貫太郎です。孫の娘さんは「おじいちゃんはきっと、入り口の近くのプリクラのところに女子高生がたまってて、きゃあきゃあうるさくしてたのにキレたんだよ」と推理し、ほかの家族もそれに頷いたそうですが、ほんとうはどうなのかわかりませんでした。 そして夏。大隈さんは再びショッピングセンターに行きたいと言い出したのです。奥さんが事前に「何か買いたいの? それとも様子を見に行くだけでいいの?」と聞いても返答はなく、とにかくは行くことになりました。ところが今度は、行く当日の朝に彼は「やっぱり、行かない」と言い出し、中止となったのです。気難し屋の彼のこと。みな、それほど驚きませんでした。孫の娘さんの「きっと、おばあちゃんが急に用事で行けなくなっちゃったからだよ。文句を言う相手がいないと寂しいんだよ」という推理に、大隈さんの息子さん夫婦は頷きました。 秋。大隈さんはまたまたショッピングセンターに行きたいと宣言。一家総出ででかけました。 到着し、プリクラのコーナーのところを通りがかったとき大隈さんは孫の娘さんに声をかけました。 「なあ、これがほら、正月に見せてくれたシールの写真のあれだな。ハワイの模様のやつが撮れるあれだな」 「うん、そうだよ」 「じゃ、撮る!」 「はあ?」 |
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