| メ イ ン ペ ー ジ |
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「変人、って思いました?」 「いえ…」 「いいんです。そう思うのが普通の感覚だと思いますよ。でもね、私の大事な人たち、つまり家内や子供や孫のね、命が危ないいざっていうときにね、私が身代わりになるためには生きていなきゃならないから、そのためにぬいぐるみたちに犠牲になってもらっているんですよ。ハハ」 「そう、でしたか」 「家内にも、孫にも、各々に、<おまえがいざというときには私が身代わりになってやる>と言ってあるんですよ。でね、みんな、私のそばにぬいぐるみが切れないように次々と持ってきてくれるんです」 「そうですか」 A子は、正直なところ「身代わり」という発想に少し胡散臭さを感じました。しかし、品田さんの次の言葉でその気持ちは変わったのです。 「看護婦さん、要はね、気持ちですから。実際、身代わりになんてなってやれないことはわかってるんです。でもね、そういうふうに言われるのって、その気持ちがありがたいもんだって、昔、身に沁みてわかったんですよ。それにね、万が一身代わりになれるとしても、せいぜい一人分でしょ。家族幾人もの身代わりは絶対無理だわね、あはは」 品田さんの話を聞き終え、私は首を傾げました。 「でもさ、A子。その品田さんの話とシームレスケアがどうつながるの?」 「ああ、それね。品田さんのノートで、これまで、あちこちの病院や関係施設に入院してきたのがわかったんだけど、ケアの視点からいうとまさに継ぎ目だらけのケアだったかもと思ったのよ。でも、継ぎ目だらけながらも、そのたびに、ナースたちは精一杯のケアをしてきたんだろうなあって、ナースたちが書いたぬいぐるみの名前を見ながら思ってさ」 「なるほど。ん? それだけ?」 「うん、」 結局A子は、シームレスケアについて議論がしたかったのではなくて品田さんにとても親しみを感じたということを私に言いたかったようです。その証拠にA子は、品田さんのことを話したらさっさと帰っていきましたから。 |
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