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こちら、ナース休憩室別館
みなさんとナース休憩室で雑談するような気持ちでつれづれに書いていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。(小林光恵)
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こちら、ナース休憩室別館
「イラスト:影山直美」

小林光恵さんの
こちら、ナース休憩室別館


第1回
 ナースの休憩室内の天気はくるくる変わる

                          @ → A

 みなさん、はじめまして。私は元ナースで、現在は看護にまつわるエッセイや小説を中心に書いている者です。ここでは、みなさんとナース休憩室で雑談するような気持ちでつれづれに書いていきたいと思っています。お茶でも飲みながら読んでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。



 ナースの休憩室というものは、休憩している顔ぶれや時間帯などでがらりと空気が変わるものです。それまではわいわい騒いでいたのに、ある人が入ってきた途端に水を打ったように静かになったり、みな疲れきっていてため息がひとつふたつ漏れ聞こえ全体にどんよりしていた室内が、誰かが差し入れのタコヤキを持って現れたことで突然宴会のように賑やかになったり、また、言い争ったあとの二人がシーンと無言で睨み合いながらお茶を飲んでいたり、深夜に患者さんたちの容態が落ち着いていてのんびりしているときにけたたましくナースコールが鳴りにわかに緊迫した空気になったり…。休憩室は、晴れ、雨、曇り、台風、あられ、大風、と、くるくる変わり、しかもその天候の変化がなかなか予想できないのが特徴です。就職して一番に覚えたことは、休憩室内の天気をすばやく察知することだった気がします。

 先日、むかし私が経験をしたナース休憩室の「晴天」の雰囲気がぱーっと蘇った瞬間がありました。
 朝日新聞に掲載されていた投稿記事を読んだのがきっかけです。投稿内容は、投稿者(21歳・男性)のおじいさまが病院で亡くなられた際、ベッドサイドで医師が白衣のポケットから取り出した「携帯電話」で時刻を確認して臨終の告知をしたということがとても心外だった、厳粛な場面で携帯電話で時刻確認をするというのは不謹慎で常識はずれだと思う、といった文脈でした。
<医師と投稿者の彼との間には、携帯電話の位置付けやイメージにかなりギャップがあるのだろうなあ。やはりこういう場面で家族は「亡くなった家族を医療者がどれだけ大事に扱ってくれたか」を医療者の所作の隅々までするどく見てジャッジしているものなんだなあ。この投稿についての感想はきっと一様ではないだろうなあ>
 と、心の中でつぶやいた私は、ふと思いついて昔同じ病棟で働いたA子とB子の二人にこの投稿文を同時にメールしてみることにしてみました。「どう思う?」という題をつけて。

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